『コスパ病』貿易の現場から見えてきた「無視されてきた事実」は、現在、英語ドイツ語フランス語タイ語の4ヶ国語で出版され、韓国語・インドネシア語・ペルシャ語・ポーランド語・イタリア語の5ヶ国語に加え、その他6ヶ国語での翻訳・出版が進行中です。(計15ヶ国語)

なぜ、これほど多くの外国語で出版を展開しているのか?
━ 著者の思い ━

『コスパ病』で指摘した「自損型輸入」の弊害は、確かに日本特有の構造と背景を帯びており、この点では、コスパ病はいわゆる国内問題です。

しかし、これまで世界45ヶ国を訪れてきた私の目には、いずれ世界各国でも同様のことが発生するのではないかという懸念を抱いています。

2001年の「WTO(世界貿易機関)加盟」という歴史的な出来事で、突如、巨大な生産力と圧倒的な価格競争力を備えて、国際貿易の舞台に出現した中国。

それは、自国の産業基盤が脆弱な国から見れば、あらゆるモノが調達しやすくなり、安価な中国製品を迎え入れやすい供給ルートの出現を意味しました。

日本の場合は、自国の貴重な資源である技術やノウハウをわざわざ海外に持ち出してまで、自損型輸入に熱中したという、いわゆる自業自得とも言うべき深刻な構造がありますが、海外の国々にも、異なる歴史的背景と経済状況等の理由から、安価な中国製品が広がりやすい構造があります。

また、中国の経済的台頭により、それまで中国とは近隣国ではなく、それほど関係が深くなかった国々も、貿易を通じて中国という大国と向き合わざるを得なくなってきた現実もあります。

そのような国際情勢の中、『コスパ病』で扱った

「自国経済を自ら衰退に導くようなメカニズムの発生にどう気付き、そこから発生した問題をどう予防し、解決していけばいいのか」

という、日本発の「経済安全保障と産業保護」の問題提起と解決策の提言は、中国との歴史的関係が短く、産業基盤や経済力が日本よりも弱い国々にとって、大変役立つ内容であり、まさにコスパ病にかかる前の「ワクチン」としても有意義だと、著者は考えています。

もちろん、日本も現状の経済情勢から回復していく姿をこれから世界に示していく必要があり、それは消費者である私たち一人ひとりの日々の適切な購入判断にかかっています。

日本人の読者の方々は、上記の本書の趣旨が単純なナショナリズムによるものではなく、「貿易の構造を正確に理解しなければ防ぐことができない重要な問題」だということをお分かりいただいていると思います。

そして、海外の方々にも同様に、その意義と意味をご理解いただいたからこそ、翻訳・出版へと繋がっており、各国語での発刊を進めています。

途上国や、政治体制が不安定な国だけではなく、豊かだと言われる国でさえ、経済に問題を抱えていない国はなく、多くの問題には各国の消費動向が密接に関わっています。

自国だけでは解決できない問題を冷静に見つめ、正しい解決策を模索していく上で、日本の経験が各国に役立ち、各国からの反響を通じて私たち日本人も自国経済を見つめる新たな視点を得られれば、それは日本にとっても有意義な取り組みになるはずです。


海外の翻訳者による『コスパ病』推薦文のご紹介
(各国向けのメッセージを著者の小島が日本語に翻訳して掲載しています)
《現在、掲載中の国々》フランス
オーストリア
韓国
ポーランド
イラン
インドネシア
スリランカ

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変革を願うヨーロッパの人々に読んでほしい一冊
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長い間、すべての国々は、世界市場に門戸を開いた中国に目を向けてきました。安価な製品への期待があったからです。

当時、G20各国が頭を悩ませてきた製造コストの上昇という問題に対する解決策を、中国が持っているように思えたのがその理由でした。

しかし、新型コロナウィルスが発生した時、中国で実施されたロックダウンによって、様々な製品の製造、組み立てラインが停止した時、供給面で問題が生じ、世界中に戦慄が走りました。

小島氏による本書は、私たちがサプライチェーン全体の問題に疑問を抱いている、まさにその時に出版されることになりました。

小島氏が本書で提案している解決策は、日本人だけでなく、ヨーロッパの人たちにも興味を持ってもらえるはずです。

変革を願う人には、ぜひ読んでほしい一冊です。

Isabelle Nambu


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本書にある日本の経験と提案は、オーストリアやヨーロッパにも適用できる
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本書は、日本経済が直面しているデフレなどの問題と、安い輸入品をできるだけ安く売る日本の経済状況が悪化してきた歴史を解説しています。

ドイツ語版の「低価格ウイルス」というタイトルは、この問題をよく表した適切なものです。

最初は無害に見えたこの風潮は、日本にとって災難に結実してしまいました。

本書は終始、分かりやすい説明で書かれており、ドイツ語圏の読者を日本近代経済史の旅に誘ってくれます。

現実経済の分かりやすい事例と、興味深い歴史的なエピソードも豊富に盛り込まれているので、読んでいて飽きることがありません。

本書の最終章で、著者は私たち読者にいくつかの提言と助言を投げかけます。

私たちは、ともすれば、消費者である私たち自身が、実は自国の経済状況の形成や悪化に重要な役割を担っていることを忘れがちです。

日本人である小島氏が書いた本書は、日本で起きた経済上の問題に焦点を当てた本ではありますが、私たちは本書に描かれた日本の経験は、オーストリアやヨーロッパでの問題にも適用されうるものであり、小島氏が教えてくれるアプローチは、ヨーロッパでも採用できます。

Maximilian Payr


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韓国の読者にとって、鮮烈な印象を与え、参考に値する内容に満ちている
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本書で小島氏は、本来、開発途上国の発展のために国連が提唱した貿易の方式が、日本でどのように受容され、変容し、独自の発展を経て日本経済に定着してきたのかを分かりやすく語り、また、その結果、日本経済が現在抱えるようになった問題を解説しています。

さらに、小島氏は、これらの諸問題を克服するためのアイデアも紹介し、自身の様々な国とのビジネス経験に基づく、洞察に満ちた考察をもとに、著者からの問題提起と解決策の提示を魅力的な文章で展開しています。

小島氏が本書で語った、日本の地方都市が抱える経済の問題とは少し原因が異なるものの、韓国にも地方都市が消滅の危機に瀕しているという問題があります。

韓国に暮らす読者にとって、郷土の経済活動を通じた地域活性化への対策と、地域の貴重な伝統文化の保存に向けた取り組みを論じた小島氏による本書は、参考に値する内容に満ちています。

また、本書は、2020年代の日本に出現するであろう社会現象を研究しようと望む韓国の研究者たちにとっても、鮮烈な印象を与える参考文献となるでしょう。

Jeong Jong Uk


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今後のポーランドへの教訓にもなり得る内容が秘められている
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本書は、日本在住20年を迎える私が、日本とその経済を新たに見つめ直すための興味深い事実を教えてくれる本です。

私は、日本のいわゆるバブル経済の崩壊、その後に訪れたデフレ、そして迎えた多くの地方都市の衰退については知っていました。

それに加え、少子化のような社会的、経済的にも良くない数々の現象が日本で起きていることも知っていました。

日本の経済分野における強さはもはや過去のものとなり、多くの日本人が、古き良き時代が長くは続かないかのように生活していることも知っていました。

しかし、私が本書を読んで知ったのは、日本社会と日本経済を現在のような状況に立ち至らせた多くのメカニズムです。

本書で取り扱われている事実と出来事は、日本の歴史に沿った文脈の中で正確に位置づけられ、私は多くの事柄に対して自分の認識が足りなかったことを、本書の精緻な描写を通じて知りました。

一般のポーランド人であれば、本書で述べられているようなことは知らないでしょう。

それこそが、本書がポーランドで読まれるべき大きな可能性を秘めている理由の一つです。

ポーランドで本書が読まれる鍵となるのは、日本とポーランドの消費者の行動様式が、明らかに類似していることです。

そして、本書で解説されている、低価格をもたらす枠組みに起因する産業全体の搾取構造と、伝統的で重要な産業分野の衰退、その結果として生じる諸問題への対処という一連の現象が、実は相互に密接に結び付いているということです。

日本同様、ポーランドでも、多くの人が低価格を歓迎する風潮に潜むメカニズムと、それがもたらす悪循環にまだ気付いていません。

本書を通じて、社会と経済がうまく機能してきた日本と、豊かさを得た優秀なポーランドの類似性を提起することは、ポーランドの読者に喜ばれる大きなポイントで、本書の大きな魅力です。

本書は、目下、失敗続きの政策を通じて経済の衰退と戦っているように見える日本が、実はより大きな問題を無視してきた事実を語っています。

本書が読者に投げかける問題提起は、まさに我々が今、ポーランドで行っていることへの教訓としても勧められるべきものです。

Bartosz Wyszynski


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自国で生産・製造できる優秀な国が、自ら経済基盤を揺るがした理由は
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世界中の国々は、いつも経済成長を目指しています。

それだけに、大きな経済規模を持つ国ほど、その力に比例した様々なリスクにさらされる可能性も高まります。

本書は、世界第3位の経済大国である日本経済が抱えるリスクの一端を理解する上で、非常に参考になる一冊です。

著者の小島氏は、日本経済の停滞を招いた原因を、一部の企業だけではなく、日本の消費者が自国を毀損する消費行動を展開してきた事実にも求めています。

自国経済の将来を深く案じる、著者の実体験に基づいて書かれた本書は、日本の経済活動を30年にわたって呪縛してきた物価の問題を理解する上で、このうえなく大きな助けとなるものです。

私はかつて、日本の大学に留学して工学の博士号を取得し、その後就職して、熊本と長崎で働いた経験があります。

私は日本での暮らしの中で、規律正しく、優しく、時間を守り、礼儀正しい人たちとふれ合ったので、日本人と、技術面で優れた進歩を遂げている日本が大好きです。

しかし、日本で買い物に行くと、大きなショッピングモールでは、驚くほど安い商品を無数に見かけ、驚きと疑問を感じました。

日本に住んでいながら、自分たちで何でも作れる優秀で強力な産業を誇っていながら、なぜ、日本人は外国で作られた安い商品を買うのでしょうか。

なぜ、日本企業は、海外からの輸入を考える前に、日常生活で多くの人が使う多くの商品を自国で生産、製造しないのでしょうか。

日本人にそう尋ねた私への答えは、「日本での生産はコストが高いからです」というものでした。

私の国イランでは、日本とは経済の状況が異なるかもしれません。

企業経営において、生産コストを下げる努力はもちろん必要ですが、一国が、海外に輸出できるような強い産業を育成し、国民の所得を増やしていくには、まず、質の良い国産品を自国の消費者に買い支えてもらう経済基盤が必要です。

もし、その基本的な経済活動を軽視すれば、経済規模が大きいほど、多くのリスクを抱えることになります。

私が大好きな日本が再び豊かさを取り戻し、日本の人たちが幸せになるためにも、日本人の方々にも、この優れた本をぜひ読んでほしいと願っています。

Hamid Afzali


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自国の未来や故郷の発展のために、踏み出す勇気を持つ人々に贈りたい
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本書「安売りウイルス」を読んで感じるのは、著者の小島氏が経験豊富な国際貿易ビジネスマンであることです。

小島氏は、母国日本の経済状況だけでなく、諸外国の文化や社会的背景をも理解し、個々の背景がその国のビジネスにどのような影響を与えるかを熟知しています。

本書は、長く続いてきた日本経済の低迷に焦点を当てた作品ですが、日本や外国の歴史、ビジネスモデルも学ぶことができ、さらには、私たち消費者、国民が良い変化の担い手となるために何ができるかも学べます。

インドネシアも、本書で説明された問題に直面しつつあります。
他国からの安価な輸入品の波が、なぜそうなったのか自分たちでも理解できないインドネシアの生産者の仕事を破壊してしまうのです。

日本に比べて、インドネシアのGDPや最低賃金は、まだかなり低いです。

そのため、インドネシアの消費者は、自分が行う買い物が自国の経済に与える影響についてあまり考えることなく、安さを優先して消費を行う傾向があります。

本書を読むことで、インドネシアの人々も、商品を安く購入する前に、もっと気を付けるべき大切なことを学ぶことができます。

本書は貿易、経済、国際関係、さらには政治に携わる人々にとっても、多くの示唆を与えてくれる一冊です。

また、自分の国の未来、自分の故郷の発展のために一歩を踏み出そうとする人たちも、本書を読むことで多くの気付きを得ることができるはずです。

消費者としての私たちの決断と行動が、国を発展させるためにいかに重要であるかを知るために、本書を読んで、私たちも変化の担い手になりましょう。

R. Sulistyantari


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スリランカでも中国の影響を見過ごせないからこそ、まずは知ってほしい
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本書は、南アジア(特にスリランカ)の人々にとって、非常に重要な一冊です。

なぜなら、南アジアの国々(インド、バングラデシュ、スリランカ、モルディブ、パキスタン、ネパール、ブータン)の経済は、低価格の中国製品の影響を受けているからです。

スリランカでは、誰かが何かを作ろうとすると、中国からすぐにもっと安い製品が入ってきて値下げ競争が起こり、製造業を低迷させてしまいます。

こうした経済被害を防止するためには、まず、経済における製造業の重要性について、国民に適切な教育を行う必要があります。

本書はスリランカ国民に対して、現在の消費行動をもたらしているマインドセットを少しずつ変えていくために、非常に役に立ちます。スリランカ経済の主要な問題は、国民が安価な中国製品に依存しすぎていることです。

スリランカは天然資源が豊富なので、国民の考え方を変えるだけで、自分たちで製品を作ることができます。

しかし、スリランカの問題は、中国製品を輸入する業者が中国企業ととても強いつながりを持っており、残念ながら、彼らがスリランカで事業を行うために多額の資金を使い、政治家への贈賄賄賂など、汚い活動を行っていることです。

こうした背景から、スリランカの製造業は深刻な事態に直面しています。

例えば、私たちが小さい頃、家の掃除に使っていたほうきはほとんどがスリランカ製で、ココナッツの殻から作られていました。

ココナッツの殻で作られたほうきは、プラスチック製のほうきよりも環境にやさしく、耐久性にも優れています。

ところが、ある日突然、スリランカ政府が中国と貿易協定を結び、プラスチック製のほうきが大量に安価で溢れるようになりました。

そして、中国から輸入されたプラスチック製ほうきの価格は、ココナッツの殻でできたスリランカ製のほうきの約半額の価格で販売されました。

スリランカは発展途上国であるため、ほとんどの消費者が、品質ではなく価格を重視して購入を行います。

そのため、プラスチック製のほうきを購入する消費者が増え、ほうきを作る多くのスリランカ企業が廃業に追い込まれました。

ほうきの例はほんの一例に過ぎず、こうした例はスリランカにたくさんあります。

スリランカ政府は、自国の製造業に悪影響を与えるような製品の輸入を規制すべきだと思います。

また、公務員や政治家が悪い会社から賄賂を受け取り、政府の正しい判断を阻害しているのであれば、スリランカ国民は政府に正しい判断をさせる必要があります。

そのためには、まず、国民が意識を変える必要があり、本書は、スリランカ国民の考え方を変えるための貴重な情報が豊富に盛り込まれています。スリランカでは、政治、経済の仕組みを変えることが国民の大きな関心事です。

高い教育を受けた人々の中には、すでにスリランカが抱える問題を知っている人もいますが、問題は、彼らが政府当局から十分な協力を得られていないことです。

スリランカの識字率は90%以上で、スリランカの読書人口はとても少ないですから、多くの読者を惹きつけることが必要です。

シンハラ語への翻訳では、本書の内容をスリランカ国民にできるだけわかりやすく伝えたいと思います。

Vasana Fernando/Madusanka Jayatilake